こんにちは。熊本事務所のSです。
季節は冬となりました。温暖な九州でも山間部では雪が積ることもあります。

私は趣味で登山をやっていて、雪が降れば雪景色を目当てに山に登ることもあります。白い雪と青い空のコントラストは美しく、沢では滝が氷結することもあり、それなりに雪景色を楽しむことができます。しかし、九州の冬は短く、バリエーションルートやアイスクライミング、テン泊などやりたいことは多々あるものの、全てをやり尽くすには時間が足りません。雪の量も少なく、正直言って物足りなさを感じます。

そこで、例年この時期になると休暇を取得して中央の雪山に登ることにしています。
森林限界を超える3000m級の山ともなればアイスクライミングにしても登山にしてもスケール感は大違い。本格的な雪山と美しい雪景色を楽しむことができます。雪山の先に広がる紺碧の空、陽が傾けば雪の山肌は赤く染まり、澄み切った満天の星は本当に降って落ちてきそうなくらい。夜が明ければ美しい朝焼けと、目の当たりにする素晴らしい風景は何かとても良い事に出会えた気分になれます。

国内の山であっても「厳冬期」と呼ばれる12月末から2月にかけては文字どおりの厳しい時期となります。冬の装備は重く、深い雪のラッセルは体力を消耗します。雪庇や雪崩の脅威、足元は切れ落ちた谷底、吹き飛ばされそうな強風、氷点下の低温、空腹など・・・生きていることが精一杯。更には僅か数日とはいえ、誰かと会うことも無い孤独感が追い打ちをかけます。

長い年月をかけて身に付けてきた体力、技術、知識、判断力などの総合力が求められることになりますが、進むことも引き返すことも困難な時もあるでしょう。何があっても「折れない強い心」を持ち続けることが一番大切なことかもしれません。

所詮は遊び。苦労を乗り越えた先にあるものなんてたかが知れていますが、きっと何か良い事が待っているに違いありません。その何かを求めて、また今年も雪山に登ろうと思います。